Gramercy Park HotelのDamien Hirst



マンハッタンの20丁目とLexinton AveにGramercy Park Hotelというホテルがある。昔かよっていた学校がすぐそばだったし、Gramercyとよばれるこのエリアはマンハッタンの中にあって数少ない静かで落ち着いた雰囲気で好きだったこともあり、このホテルの存在は昔から知っていた。Gramercyはいわゆる高級住宅街で、ユマ・サーマンなんかも住んでいたはず。Gramercy Parkはプライベートな庭で近隣住民で鍵を持っている人だけが入れる公園。ホテルはその前にあるので直接は関係ないと思うが。

最近になって大きなリノベーションをして、1階にWakiyaという日本人オーナーの中華料理屋があって、ここだけ一度行ったことがあったがホテルには入ったことがなかった。もしかしたらとっても有名なことなのかもしれないが、最近友達がここに泊まって、ホテル中にアート作品があるから見に行こうということでつれてきてもらってびっくり。ロビー、トイレの待ち合い場、各部屋にいたるまでコンテンポラリーアート作品が飾ってあって、大きなウォーホルなんかもある。極めつけは屋上のバー(リンク先で写真が数点見れる)で、泊まりの客しか入れてもらえないが、いくつかの部屋に仕切られたバーの中に、大きなウォーホールが2、3点、ダミアン・ハーストの薬棚(8億円相当とのこと)、ドットペインティングなどが割と無造作に置いてある。酔っぱらいがぶつかったりしないのかな。こういうところでも、去年、一昨年のアートマーケットの活況はささえられていたんだなあなどと思ったりした。

知り合いが泊まっていた一番シンプルな部屋にも見覚えのある写真(ウェストンだったかなあ、スティーグリッツ??お酒のせいで覚えていない)がかざってあり、スイートなんかには大きな作品があるんだろうと思うと、このホテル一つで中規模の美術館程度のコレクションになるなあという感慨にふける。

聞けば、このホテルもイアン・シュレーガー系で、近年のリノベーションを、アーティストで映画監督のジュリアン・シュナーベルが手掛けたとのこと。アーティストとしては80年代に大人気になって、その後、バスキアの映画を撮ったり、最近だと全身不随になったエルマガジンの編集長に関する映画の『潜水服は蝶の夢を見る』を撮ったりしているが、なるほどなと思った。生粋のニューヨークのアーティストがリノベーションのディレクションをしているからこそ、こんな思い切ったアートディレクションができるし、作品のセレクションの趣味もいい。

去年の前半はNYのホテルはばかみたいに高くって、ここも500ドルくらいからだったはずだが、今年は不況の影響でどのホテルも値段は下がっていて、Gramercy Park Hotelも200ドル台からあるそうだ。立地もいいしアート好きにはオススメ。

Comments

  1. このホテルのバー、大好きです。Wakiyaも日本ぽくて好きでした。。ああ、Nyが恋しいです。

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  2. 壊れてもいいかなぐらいの気持ちで置いているんじゃないかな。
    折角、部屋やバーのような生活空間に設置しているんだから、ここで美術館のように恭しく接するんだったらあまり意味がない気がする。

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  3. 壊れてもいいったって8億円の作品だからねえ、、、。美術館の作品の99%はそれよりも安い訳で、、、。

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