Virtual Art Fairの可能性



先週の月曜日7月14日に、日本で初めてヴァーチャルフォーラムがネット上でおこなわれた。日経BP主催の「NETMarketing Forum 2009 VIRTUAL」というもので、サイト自体は8月10日まで開いているようなので様子はご覧いただける(ユーザー登録必要かも)。どういうものかというと、6月30日に現実に、品川で開かれたオンラインマーケティングに関するフォーラムのヴァーチャル版。サイト内に、講演が聞ける場所と、各企業の展示ブースがあって、展示ブースでは、簡単なプレゼン動画、展示資料のダウンロード、初日であれば、各ブースのスタッフとチャット(今回はいれられていなが、技術的には音声、ビデオチャットも可能。)して詳しい話を聞いたり、後日のミーティングをアレンジしたりもできる。シリコンバレーとイスラエルに拠点を持つUnisfairという会社がヴァーチャルフェアのシステム提供をしていて、アメリカでは、こういう実際のフォーラムを補完する場合だけでなく、割と大企業が、ヴァーチャル単体で、ジョブフェアをおこなったり、会社が従業員向け、顧客向けの遠隔トレーニングに利用したりされはじめているらしい。

一番のメリットは、実際の展示会より安くあがるということ、遠隔地で来にくい人も、自宅会社から参加できること。また、あらかじめ各自が登録したユーザー情報がチャットなどをする際に名刺交換さながら瞬時にシェアされ、後日わざわざスキャンしたりする必要もなく、そういう意味では実際の展示より便利な部分もある。よくよく考えたら、ウェブで各企業が日々おこなっていることとあまり変わらないが、大きな違いは、イベントとして事前に周到に告知し、その日、もしくは2,3日にそのヴァーチャルイベントに人が集まり、そこではビジネスなので割とオープンに個人情報であったり、会社情報であったりを交換して実際のビジネスにつなげていきましょうといういわゆるフェア、フォーラム的な運営がされていて、新しい人とオンライン上で実際に会うというところが単なるウェブサイトとの違いか。

これをちらっと見たとき、将来的にはアートフェアも、このような補完的なヴァーチャルフェアを用意するようになるのかなあと感じた。ヴァーチャルフェアは安いと行っても、数百万円からはかかるので、予算的には、まだ世界の大きなフェアしか準備は無理かもしれないが、今後システムの価格が下がっていけば、中小のアートフェアで、世界中から客を集める力がないようなところでも用意することで、例えば、日本のアートに興味はあるが、東京までフェアに足を運ぶほど時間がないというような人にも敷居がさがって、まずは覗いてもらえるかもしれない。ただ、オンライン上でどれだけアート作品そのもののよさをアピールできるかどうかはかなり疑問なので、無名の作家を多くの人に発掘してもらうというよりは、すでにある程度知名度のある作家の作品で、作家名、メディア、サイズ、制作年などの情報でそこそこやりとりができるような場合に限られるだろう。まあ、ある程度の不便はあるにせよ、オークションも、電話、オンラインでビッドできる時代なのだから、アートフェアもそうなるかな。

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