英語アートメディアの中国語展開



先日、「Discovery Channel,百度と組んで中国語版サイトを開設」というブログ記事を読んで、そういえばアート雑誌のArt Forumにも英語以外で唯一中国語サイトがあったなあと思いだした。上記記事によると、


Discoveryのように,欧米の有力メディア企業はオンライン市場のグローバル展開に動き始めている。そのグローバル展開では,やはり中国とインド市場に注力することになる。インドは英語圏としてビジネスができるので参入が容易だが,中国ではコンシューマー向けサービスとなると中国語化が欠かせないし,政府の規制にも対応しなければならないため面倒である。

 だが中国参入は不可欠となってきた。 China Internet Network Information Centerによると,中国のインターネット人口は6月末に3億3800万人に達した。世界最大のインターネット人口を擁し,さらにこれからも増え続けていくだろう。Discovery Channelが,この強大な中国市場で躍起になるのは当然かも。


このことは、何もDiscoveryのように大きなメディアだけではなく、アートメディアのようなニッチメディアでも起こっている。今のところ、Art Forumだけだが、先日ミーティングをした別のニューヨークの有力アートメディアの人も、「うちもついに国際展開をすることにした。」といきまいていて、聞けば中国語版のサイトを年内にもオープンするとのこと。ヨーロッパの人は英語でいいし、インドはまだ少しアートマーケットは小さめだし、そもそも英語で大丈夫だしと、英語の次に翻訳するとすれば、当然中国語のようだ。こういうアメリカのアート関係者からの視線という文脈の中には日本とか東京は出てこない。

日本のアート業界の人達の中には、西洋に対して、日本はアジアでのリーダーシップを発揮していくべきだという意見を持っている人も多いようだが、覇権主義的な意味では、時既に遅し。もう少し地に足のついた形でじっくり「日本」のアートの国際的な地位向上を目指していく必要があるだろう。

そういえば、Art Forumに、森美術館のアイウェイウェイ展の紹介記事が出ていたので、読んでみたところ、クリエイティブコモンズのことなど一切出てこないことにかなりがっかりした。

最後に、Art Forumがamazon.co.jpで買えるのかと調べてみたら、さすがにこれは買えないようだが、アート雑誌で唯一"Art in America"がアマゾンジャパンに入っていたので、紹介。毎年8月号の美術館、ギャラリーなどが隈無く網羅されたアートガイド号。

Art in America [US] August2009 (単号)

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