DUMBOのアーティストスタジオを訪ねた


DUMBOというのは、Down Under the Manhattan Bridge Overpassの略で、ブルックリンブリッジとマンハッタンブリッジの下のブルックリン側のエリアのこと。アーティストのスタジオが多く、ギャラリーなども結構ある地域。上の写真で見えるのはマンハッタンブリッジ。友人のアーティストが作品が届いたからお昼でも食べようと招待してくれた。もう5度目くらいだろうか。ちなみに、篠原有司男氏のスタジオもこのエリアだと聞いた。

DUMBOの中でも、アーティストスタジオ、ギャラリーが特に集まっているFront St.沿いの灰色の巨大なビルの3階に彼のアトリエはあり、廊下は誰かの作品かな。赤いパネルがならんでいる。

これが彼のスタジオ。日頃はここで仕事をしているそうで、到着したばかりの作品も並べてある。

彼が、友人のチェコ人アーティストPavel Kraus。友人と行ってもかなりキャリアのある人で、大掛かりなパブリックアートプロジェクトを手掛けたりもしている。



これが、新しく届いた彼の作品達。玉子と遺伝子がコンセプトになっている石の彫刻作品。届いたというのも、この作品はインドで制作されているという。彼がコンセプトとスケッチをおこし、それをもとに、インドの人件費の安い職人達が、石を削って、磨いて、玉子型を作りそれを2つに切って、また表面に形状通りの型を切り出して、そこに別の質感の石をぴったりはめ込んで、上から磨くという作業を何人かで半年かけて完成したという。それが巨大な木のクレート何箱かに入って船で届いたという訳だ。作品制作途中にも何回か遊びに来たが、インドからの返信が遅いとか、どの港に届けるのが一番いいかとか、心配事はつきないようだったが、できた作品はすばらしく美しく、多様な意味でグローバルで現代的なものだ。本人も満足げで、現在は、この写真の作品の2倍以上の大きさの作品を制作しているそうで、その大きさになると1トン近くにもなり、一度置いたら、なかなか動かすのは容易ではない。

食事をいただきながら(木曜昼なのに3人でワイン2本、、、)、この作品で展覧会をするのかと聞いたら、「この作品でギャラリーの展覧会をやるのはリスクが大きすぎる」というような答えが返って来た。つまり、作品の制作費用が高く、どのくらい売れて資金回収できるかわからない展覧会に新作としてこれらの作品を用意できないということのようだ。今回とどいたものも、大半はコレクターなどに制作途中から売れており、今制作中の大きいものは、コミッションワークのような形で、西海岸のコレクターの庭に置かれることが決まっているらしい。彼は国際展をはじめとするアートサーキットにのるいわゆるスターアーティストではないが、長いキャリアの中で、コレクターとの関係を築き、コミッションワーク中心に活動している。少なくともアメリカでは、美術館はもちろん、ギャラリーの外側にもアートシーンは大きく広がっていることを実感させられます。ちなみに、日本でのコミッションワークを是非やりたいということなので、ご興味ある方いれば是非お知らせください。ってそういうの日本でもあるのかなあ。

彼が入っているビルの2階には10程度のギャラリーが入っていて30分くらいでまわれるので、DUMBOにくる機会があれば、是非のぞいてください。下記はそのうちの一つで今やっている展覧会です。

Peter Herel "the Borges Sequel"

Venue: 5+5 Gallery
Schedule: From 2008-06-05 To 2008-07-30
Address: 111 Front St.,Brooklyn, NY 11201
Phone: 718-488-8383

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