アート広報にtwitterを!
このブログ記事を書こうと思って調べてみると、わたし個人としては、2007年3月26日に最初のつぶやきをしているので、かれこれ2年近くtwitterをつかっていることになる。これはこれで驚きだ。Twitterって何?という方にはwikipediaのページを。Twitter(トゥイッター、ツイッター)は個々のユーザーが「つぶやき」を投稿し合うことでつながるコミュニケーション・サービスということだそうだ。
個人としては、近くにいなかったり、日頃それほど会わない人とのゆるいコミュニケーションツールとしてそれなりに面白いなあと思っていたのだが、なんとはなしに、去年の11月からNY Art Beatとしてのアカウントをはじめてみたら結構驚いた。反響がすこぶるよかったのだ。NY Art Beatにはオープニングパーティーだけを集めたリストがあり、そこから今日の夕方に行けるオススメのオープニングの情報や、明日で終わってしまう展覧会について1日に2、3シンプルな情報発信をはじめたら、これがNYでオープニング情報を探している人だけでなく、東京の友人などで毎日NYABをチェックするほどではないけれどというようなスタンスの人が、なんとなくNYでどういうイベントが起こっているか知るのに丁度いいといって喜んでくれたのだ。
そして、また丁度、NYの大きな美術館が丁度twitterを始めた時期と重なり、ある日MuseumModernArtがあなたをFollowしはじめましたというお知らせメールが来たときには、話したことはない美術館のウェブ広報担当はNYABをしっかり認知してくれているのだということが分かってチームの士気もかなり上がった。その後も、美術館、たまにはギャラリーなどがどんどんアカウントをスタートさせ、NYABアカウントのfollowersも順調に増えていたのだが、3日ほど前に、ストリートアートの有力ブログであるWooster CollectiveがSix Terrific Twitter Feeds For Art Loversと題してNYABを含む6つのtwitterアカウントを紹介してくれた日から、突然僕のメールアドレスのinboxがtwitterのお知らせメールで完全に埋まってしまった。ここ数日は全トラフィックの約2割がtwitter経由である。
他の美術館のtwitterを見ていてあることに気がついた。当然のことながら私の知る限り日本の美術館でtwitterをやっているところはない。一番Followerが多いのはMOMAかと思いきや、オンライン広報を世界で一番うまくやっているブルックリン美術館で、MOMAの約2倍の5500人あまりのFollowerがいる。面白いのが、twitterで成功している美術館のtwitter内容が実は全然institutional(組織的??)ではなくpersonal(個人的)であるということ。もちろん、今日はこういう特別イベントがありますよというようないわゆる広報的なものも含みながら、他のtwitterへの返信であったり、直接美術館とは関係のないトピック(広くアートやネットには関係あるものが多い)であったりをとても自由に扱っていてなんというかとても人間味があるのだ。
これは僕にはとても面白くて、広報というと従前では、5W1Hを誰にでも分かるようにそして間違いがないようにシンプルに正確にそして無機質に伝えるのが組織の広報の仕事であったのが、ブログでやや変わり、そしてここにきてtwitterで大きく変わってきているように見える。もちろん今までの広報活動が無くなるわけではなく、それプラスして、twitterのようなカジュアルでやや不真面目(ながら見のメディアというかそういうもの)なメディアを使っても行われはじめたということか。逆にいうとtwitterでうまくいくかどうかは結構その担当者の属人的な資質にかかってくるかもしれない。いわゆる仕事の能力を超えたキャラクターのようなものが出てきてしまうということがそもそもお固い組織には実行できかねることかもしれない。この辺をいち早く取り入れてやりはじめるあたりやっぱりアメリカの美術館はすごいなと思わずにはいられない。もちろん、どの美術館もうまくいっている訳ではなく、NYのある中規模の美術館の広報チームとミーティングを持ったときにtwitterはやらないのかと聞いたら。広報チームの二人(40代と20代インターン)は二人ともtwitterは知っていたものの、今のところウェブを外注しているのでオンラインの担当者がいないという返事がかえってきた。あとはやはりどのような内容にするかが難しいとのことだった。組織としてある程度の裁量(つぶやきの内容について、誰をfollowするのかについて)を担当者に与えないと、内容をいちいち上司がチェックしてというような性質のものではないので、うまく回していくのが簡単な場合とそうでない場合があるかもしれない。
まだまだお役所的だとか融通が利かないとかいわれている日本の美術館もtwitterを広報ツールにいれることで、広報の姿勢全体を、一方通行のものからもう少しコミュニケーション中心のものに買えていく切っ掛けにしていくのはどうだろうか。Tokyo Art Beatも101 TOKYOもはじめなければ。
NY Art Beatのtwitterはこちら。
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