アートマネージメントよりアートアントレプレナーを!

日本では少なくとも90年代に入ってから“アートマネージメント”という言葉がさけばれ始め、コンセプトとしても、活動としても、学問としても、少しずつ定着してきているようだ。大学、各種スクールでもこの分野のことを学んでいる人は相当数いるのではないかと思う。

ただ、アートマネージメントを学ぶ、教えるということ自体にしっくり来ないという声もよく聞く。
なぜか?
多分、理由は単純で、何よりもプラクティカルな分野であるにもかかわらず、仕事がほとんど無かったからだ。バブル崩壊以降予算が切り詰められてきた美術館、まだまだ個人経営のギャラリーなど、新たな雇用があまり産まれてこなかったにもかかわらず、そこで活かすべき人材の育成は毎年順調に増えてきているような気がする。

少し順番を変えてみるべきかもしれない。
そう。 今、本当に必要なのは仕事、雇用を創出することができるアートアントレプレナー(企業家)だ。今、日本のアート業界は膨張傾向にある。ギャラリーの数も増えてきた。先月のアートフェアー東京前年度比5倍程度の売り上げをあげている。しかし、これらに関しては海外マーケットとの内外価格差に起因しているところも多分にあるといえるだろう。
この内外価格差があるうちに、そのトレンドを追い風に、今が、新しくアート関連の事業、仕事をみんなが始めていける大きなチャンスなんじゃないかと思う。多分、アートアントレプレナーに必要なのはアートに関する深い知識ではなく、アートを面白いと思う気持ちとチャレンジ精神くらいなもの。

マネージメントが力を発揮するのは安定成長に入ってから。

ここが不便だ。こういうのがあればいいのに。こういうアート施設があると楽しいのに。そう思ったらあとはそれをやり始めるだけです。

Comments

  1. art beatのリンク(ル・コルビジュエ展)でお邪魔いたします。書かれている”アートアントレプレナー”の概念、とても共感できます。”社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)”という視点は随分認知されてきていますが、アートという分野こそマネジメント能力とペイする仕組みを作りだすことのできるアントレプレナーが必要だなと思うのです。。それもアートな感覚が分かる人で。

    ReplyDelete
  2. たびたび失礼します。
    アメリカには社会事業(ソーシャル・ビジネス)を対象としたファンドがあるそうです。それならアートを対象にした”アートファンド”があってもよい気がします。ソーシャル・ビジネス・ファンドの一部として、位置づけられそうですね。

    とあるサイトで見つけたイベント情報
    ”ソーシャル・ビジネスを支えるコミュニティ投資の行方”(立教大学21世紀社会デザイン研究科公開講演会)
    http://fp.cocolog-nifty.com/se/2007/09/106_e323.html

    ReplyDelete

Post a Comment

Popular posts from this blog

アメリカを代表するミニマリスト桑山忠明氏へのインタビュー

140文字の美学ー日本語のつぶやきとEnglish tweets