アメリカを代表するミニマリスト桑山忠明氏へのインタビュー
1958年にニューヨークに渡って以降、一貫してミニマリスティックな作品作り(ご本人はインタビューでも自分はミニマリストではないとのことだが、タイトルはあえて)で、アメリカを代表する桑山忠明氏が、2月25日までチェルシーの Gary Snyderギャラリーにて個展 を開催中とのことで、 NYABlog用にインタビュー させていただいた。インタビュー自体は日本語でさせていただいたので、せっかくだということもあり、日本語版をこちらで公開させていただく。去年には 名古屋市立美術館 、 金沢21世紀美術館で個展 で、そして、今年の秋には 神奈川県立美術館の葉山館 での個展が控えている。 また、インタビューに当たって 日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴの富井さん達がなさった桑山氏へのインタビュー を参考にさせていただいたので、興味のある方は、是非そちらもあわせて読んでいただきたい。 Tadaaki Kuwayama 'Untitled' (1966) metallic paint on canvas with aluminum strips. 35 x 35 inches. © Tadaaki Kuwayama. Courtesy Gary Snyder Gallery, New York F:1958年にニューヨークにいらっしゃいましたが、当時のニューヨークのアートシーンはどのようなものでしたか?抽象表現主義ばかりでしたか? K:そうですね。まだそういう時代で、一般的には抽象表現ばかりでしたが、そろそろ、当時の若いジェネレーションは、そういうものから、抜け出したいという雰囲気でした。そもそも自分にとっては、米国に来る前の日本にはそういう米国のアートに関する情報が全然なかったんですよ。日本のアートマガジンでもそういうのを取り上げてなかった。やっぱり島国でしょ、日本は。で日本独特の美術があるし。まだ日本がそこまでいってなかったですよね。ジャクソン・ポロックぐらいは何かでもう紹介されていましたが、紹介されたといっても、ドリッピングの写真を1点くらい観たかっていう感じ。だから抽象表現主義についてもこちらに来てはじめて知ったんです。だから急に日本が0になっちゃった。それまで日本にいたことが、何か無駄っていうよりもロスみたいな。だから